一家に一台 余ったPCで便利なホームサーバーを構築してみよう
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初級編 余ったパソコンを利用してデータサーバーを実現させよう
なんだか難しそうと思っているあなた、心配はいりません。
ホームサーバーといっても、内容は様々です。まずは「山旅倶楽部」の地図データ、デジカメの写真や文書ファイル、MP3データなど、各種データを保存収納するデータサーバーを目指しましょう。データサーバーは、特殊な仕掛けは何もありません。LANにパソコンを接続するだけです。動作させるためのプログラムも全く必要ないのです。これでしたら、誰でも実現できると思いますよ。
●データは一箇所にまとめて保存しておくのが秘訣
複数のパソコンを使用している場合、文書、画像などのデータを一箇所決まったところに保存するようにしておくと、とても便利であるばかりか、保存先のハードディスクをバックアップしておくだけで、データのメンテナンスも出来てしまいます。複数のパソコンからのデータ参照先も同一にできますから、データの保存・呼び出し先も同じですみます。このようにデータサーバーは便利なものです。
●パソコンはなんでもOK ただしハードディスクは外付けにしたほうが使いやすい
データサーバーに使用するパソコンは、なんでもかまいません。CPUがDX2/66だろうと、メモリーが32MBしかなくても一向に構いません。ただしデータを保存するハードディスクは外付けタイプにしましょう。内蔵でも構わないのですが、メンテナンスのしやすさは外付けが一番です。
●OSによって、外付けの方法と扱えるハードディスクの容量が決定する
OSもWin95,98,Me,NT,2000など、なんでもよいのですが、OSによって扱えるハードディスクの容量が違ってきてしまいます。また外付けの方法もWin95,NTですとSCSI接続だけになりますが、Win98,ME,2000でしたらUSBやIEEE1394も選択肢の中に入ります。USBに対応したハードウエアを持ったWin98でしたら、1パーテーション8GBまでは切れますし、バージョンによっては20GBまでは可能になります。WinNT/2000でしたら現在発売されている80GB程度の容量でしたら、1パーテーションとして扱えます。データサーバーとしてのハードディスクのトータル容量は20GB以上あると使いやすいと思います。
またMacitoshからデータサーバーへアクセスしたい場合には、サーバー側のOSをNTサーバーや2000サーバーを導入することで可能になります。
●データサーバーのドライブを共有設定する CD-ROMも指定しておくと便利
複数のパソコンから、データにアクセスできるようにするには、データサーバーに装着したハードディスクのドライブを「共有」できるようにします。
方法はマイコンピュータからドライブを選択してマウス右ボタンメニューから「プロパティ」を開きます。最上段のタブから「共有」を選択して、「このフォルダを共有する」にチェックを入れます。共有名はドライブの番号、あるいは好きな名前にします。ユーザー制限を設けない場合には「無制限」にチェックを入れます。全ての記述が終了しましたら「OK」ボタンを押します。
以上で共有設定は完了します。設定が正常でしたら、ドライブアイコンに「手」のアイコンが加わっているはずです。
CD-ROMも共有設定しておくと便利ですよ。複数のパソコンからCD-ROMにアクセスできるようになります。特にサブノートPCのようにCD-ROMドライブを持たないマシンでも、CD-ROMを扱えるようになりますので、ソフトのインストールなどを快適におこなえます。
●使用するPCへの登録はマイネットワークからマイコンピュータへドラッグ&ドロップするだけ
複数のパソコンはイーサネット経由で接続します。方法に関しては□[ネットワーク編] ADSL・無線LANを検討されるている方へのアドバイスを参照してください。データサーバーを構築される方は、インターネットもルーターでアクセスされる方だと思いますので。
データサーバーへのアクセス方法ですが、ご使用のパソコンのマイコンピュータにデータサーバーのドライブを登録します。方法はデスクトップ画面の「マイネットワーク」をクリックしてデータサーバーアイコンを探します。パソコンを起動して数十分経過しないと見つからない場合もありますので注意してください。これはハブなどを経由する時に、現在接続している機器の監視情報の確認に時間がかかるためです。
見つかりましたら、「マイネットワーク」上のデータサーバーのドライブを、自分のパソコンの「マイコンピュータ」にドラッグ&ドロップします。
次に接続するドライブ名を指定します。この場合、できる限り「X」「Y」「Z」のようにアルファベットの終わりに近いものにした方がよいでしょう。
理由は「F」「G」などはメモリーカードやDVDドライブを自分のPCに接続した時に使用する可能性があるからです。どのパソコンでも使用しないドライブ名を指定しておくのが安全なのです。
なおここで指定したドライブ名は、他のパソコンにおいても共通に名づけます。つまり「X」ドライブに指定したならば、他のパソコンでも「X」にしておくのです。こうすることにより、どのパソコンからも共通のドライブ、パス、ファイル名でデータにアクセスできるようになります。
「山旅倶楽部」の地図やMP3、デジカメ画像などをデータサーバーに保存しておけば、複数のパソコンからアクセスできるようになったわけです。ただし「山旅倶楽部」の地図データのように、複数のパソコンから同時には使用できないものもありますので、同時アクセスする場合には、同時使用が可能なデータであるか、事前に確認しておきましょう。
インターネットの魅力は、webブラウザの操作性の良さにあるのではないでしょうか。インターネットでの操作と同じブラウザ操作で、カシミールの自動起動や書類や住所録の閲覧、検索ができたら便利だと思いませんか。webサーバーを導入すれば、それらを実現できます。
webサーバーはインターネット用途だけではありません。家庭や社内に限定した使い方もできるのです。例えば掲示板やスケジュールなど、家庭内でのメモとして、また上級編で解説しますが、日本語全文検索エンジンを導入すれば、Yahooのようなデータ検索もwebブラウザから可能になります。
これから説明するものは、「山と自然の旅」で実際導入しているシステムです。webに公開するシステムは、もっと高度なものですが、家庭や社内で使用するのでしたら、これから説明するシステムで十分に実用です。何よりも簡単に導入できるのがメリットです。
●ANHTTPD webサーバーを導入する
AN HTTPD は Windows95/98/NT/2000用の HTTP サーバ(Webサーバ)です。 LANにつながっているWindows95/98/NT/2000 マシンからホームページを提供できるほか、SSI/CGIをご使用のパソコンでテストすることができるフリーソフトウェアです。
ANHTTPDのインストール、実行はとても簡単です。ANHTTPDをデータサーバー用のPCにダウンロード、フォルダーに解凍して httpd.exe を実行するだけです。ただしいくつかの設定は必要です。
・URLの始まりとなるドライブ、パスを指定します
例えばデータサーバーを使用するPCのマイコンピュータに登録したドライブが「M」で、URLの始まりのフォルダーのパスが m:\database とした場合、http.exeのオプション設定の「一般」に、そのドライブパスを登録します。(右の画像をクリックすると拡大画像が表示されます)
これだけの設定で、webブラウザからアクセスできるようになります
データサーバーのTCP/IPの設定で登録したコンピュータ名を「yamatabi」とした場合
webブラウザで m:\database\pc\index.html
ファイルを表示させるには
http://yamatabi/pc/index.html
このようにwebブラウザからURLでHTMLファイルにアクセスできるようになります。
・自動的に再生させたり、起動させるファイルを指定します
●「山と自然の旅」ニュースのようにLMLリンクファイルから、カシミールを自動的に起動させて、目的のポイントを地図表示させたい場合、あるいはMP3やMpeg動画を自動再生させたい時には、次のように http.exeのオプション設定の「ファイルタイプ」設定でファイルの追加をします。(右の画像をクリックすると拡大画像が表示されます)
カシミールを自動起動させる
lml x-lml/x-lml (LMLで起動)
lmlpack x-lml/x-lmlpack (LMLPackで起動)
evm x-lml/x-evm (evmで起動)
dcm x-lml/x-evm (dcmで起動)
ndb x-lml/x-ndb (ndbで起動)
gdb x-lml/x-gdb (gdbで起動)
trk x-lml/x-gps (trkで起動)
wpt x-lml/x-gps (wptで起動)
オーディオや動画を自動再生させる
asf video/x-ms-asf (asfの自動再生)
asx video/x-ms-asf (asxの自動再生)
mp3 audio/mpeg (MP3の自動再生)
mid audio/x-midi (midiの自動再生)
mid audio/midi (midiの自動再生)
上記の設定をおこなっておくと、GPSデータを読み込み、自動的にカシミール+「山旅倶楽部」の地図を起動させたり、MP3音楽データやeggyで撮影したMPEG4動画をストリーミング再生させたりすることが可能になります。
例 目的のデータをhtmlファイルの文中でリンクさせるだけです
usagi.asf MPEG4データを自動再生させたい場合は
<a href="="usagi.asf">うさぎの動画です</a>
tozan.gdb GPSデータをカシミールで表示させたい場合は
<a href="="tozan.gdb">GPS登山データです</a>
ramen.lml \b>美味しいラーメンショップリストをカシミールで表示させたい場合は
<a href="="ramen.lml">ラーメンショップリストです</a>
このようにリンクすればよいのです。
[付録]
もしもwebサイトで、動画データをダウンロードでなく、リンクでも
ストリーミングさせたい場合には .htaccessファイルを作成してサイトに
FTPするとよいですよ。
.htaccessファイルは置いたディレクリ以下が有効となります。
ちなみにカシミールの LML,GDB などもストリーミングできます。
「山と自然の旅」のニュースにあるLMLやその他コンテンツが該当しています。
ただしプロバイダーによっては、設定できないところもあるかもですけど。
MIME設定がされていないファイルが必要な場合に実行されるとよいと思います。
---サンプルです 以下の内容をテキストデータとして記述します-----
AddType x-lml/x-lml .lml
AddType x-lml/x-lmlpack .lmlpack
AddType x-lml/x-evm .evm
AddType x-lml/x-evm .dcm
AddType x-lml/x-ndb .ndb
AddType x-lml/x-lak .lak
AddType x-lml/x-gdb .gdb
AddType x-lml/x-gps .trk
AddType x-lml/x-gps .wpt
AddType x-lml/x-gps .rte
AddType x-lml/x-gps .pot
AddType audio/x-pn-RealAudio-plugin .rpm
AddType audio/x-pn-realaudio .rm
AddType audio/x-pn-realaudio .ram
AddType video/x-ms-asf .asf
AddType video/x-ms-asf .asx
AddType video/x-ms-wmv .wmv
AddType audio/mpeg .mpga .mp2 .mp3
AddType audio/x-midi .mid
AddType audio/midi .mid
-----------ここまで-------
どのファイルが何に対応しているかは、拡張子見ればわかりますよね
不必要なものは削除してください。なおエディターによってはファイル名が
.htaccess として作成できない場合もありますが、このような場合は
適当なファイル名をつけて保存して、マイコンピュータ上でリネームすればよいです。
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