広島・八幡高原 かきつばたの里 広がる花景色を再び 2006.06.02

広島県北広島町(旧芸北町)の八幡(やわた)高原は、太田川の源流域にあたり、標高およそ800mには、1.7haの休耕田におよそ2万株、数十万とも100万本とも言われる「カキツバタの里」がある。失いかけた群生地の花風景を取り戻し、自然を保全再生しようと立ち上がった人たちが、協力者を募り、作りあげてきた花園だ。今年は2m程の雪が積もり、開花は2週間程遅れていたが、ようやく開花が進み、凛とした花姿のカキツバタは、祭りの頃にちょうど見頃となりそうだ。かつて、一帯はカキツバタが自生し、昭和初期には植物学者牧野富太郎も幾度か訪れた程の規模だった。博士は、現地でカキツバタの花を揉んでハンカチに染め付けていたが、Yシャツまでもが花汁で染まったエピソードも残っている。「衣にすりし 昔の里か 燕子花」の句を詠み、著書にも記した場所だ。その後群生地は、河川改修や圃場整備などにより、すっかり様相が変わり、休耕田や荒地となってしまった場所もある。個人の方が何名か休耕田でカキツバタを植えてはいたものの、昔の面影はすっかりなくなっていた。しかし、2001年から始まった「カキツバタの里づくり」で、群落風景が甦り、現在に至っている。なお、カキツバタは四季咲きのものは、梅雨時にいったん花はなくなるが、以後、霜の降りる頃まで花は見られる。

開 随時
休 無休
料 維持管理基金 100円〜
備 6/4 かきつばた祭り
交 戸河内ICから車で30分
   JR広島駅からバスで広島バスセンター経由1時間40分、八幡橋下車徒歩2km
   ※バス便は朝・夕各1本
駐 周辺 特になし (カキツバタ祭り当日約200台)
所 広島県山県郡北広島町
問 08263-7-0001 北広島町役場 八幡支所 http://www.town.kitahiroshima.lg.jp/
   08263-7-0300 カキツバタの里づくり実行委(八幡郵便局)http://www.kakitubata.com/