島根・大根島　あでやかに正月迎える　由志園の牡丹　2006.01.01

島根県松江市（旧八束町）の大根島は、中海（なかうみ）に浮かぶ周囲12km程の小さな島。火山の爆発によって生まれたと言われる火山島だ。土壌はクロボクと呼ばれる火山性の土が表面60cm程を覆い、ボタンや薬用人参の栽培に適していたことから、どちらも江戸時代から栽培が続けられている歴史を持つ。ボタンの年間生産は、苗木で約180万本にも及ぶ花の島だ。島内にある由志園は、広さ約4万平方m、ボタンや四季折々に咲く花木が見所の日本庭園。開園当時の1975年には、島に渡る橋がないため、庭土や庭石、樹木などを運び込むのにも苦労を重ね、8年もの歳月をかけて造られた。今では、春の牡丹庭園では約250品種のボタンが咲き、10月中旬から2月末にかけても、500坪の寒牡丹庭園では合わせて20数種、200株程の寒ボタン（2季咲きボタン）が順次開花していく。寒ボタンは秋から冬にかけては一斉に開花する訳でなく、植え替えも行なわれないが、こも囲いを施して庭園に佇むボタンの花には風情があり、雪化粧の日には一層趣きも増す。一方、「牡丹の館」内では、通年大輪のボタンを20〜30株程度観賞できるように開花調整や植え替えが行なわれ、元日でも華やかな見頃を迎えたボタンの花を愛でることが可能だ。

島根県松江市