山口・岩国　見頃の桜と　造形美を誇る　錦帯橋　2002.03.29

山口県岩国市の錦帯橋は、日本三名橋のひとつ。独特のアーチを描く5連の橋は、力学的にも考慮された、木製の橋ならではの美しさを今に伝える。周辺では、およそ3000本と言われるサクラが8分咲きになり、一際華やかだ。見頃は、4月はじめまでと見られる。現在、錦帯橋は、平成の架け替え事業が進行中。第1期、中央にあたる第3橋分の架け替えが終わり、真新しい白木の橋がまばゆい。5橋全ての完成は2004年3月の予定だ。錦帯橋の歴史は1673年まで遡る。岩国藩主吉川広嘉が、洪水にも流れない橋を架けたいと悲願し、構築したのが始まり。翌年、橋は流されたものの、次に架けられた橋は以後276年、1950年の台風まで流失しない頑強な橋となった。流失後、コンクリート製の橋にする話も出たが、市民の熱望により、木造の橋が再建されたいきさつを持つ。今でも河川敷から橋の木組みを楽しめるのは、当時の方々の思いあってこそだ。春うらら、お天気がよければ、岩国城の展望台や錦川清流船からの眺めも格別になる。

山口県岩国市