「山旅倶楽部」で広がるアウトドアライフ
No.231 2003.11.12
和歌山県 本宮

めはり寿司

めはり寿司
[Exif位置情報 あり]

熊野本宮大社の石段を降りると「茶房珍重庵」という茶屋がある。ここの名物は「熊野もうで餅」。品のあるこし餡を使った柔らかな餅は土産としてもお薦め。またキャンプでの買出しや特産品が目当てならば、大社の近くに「樹の里」というスーパー兼土産物店がある。本宮だけでなく和歌山の特産品はだいたい揃っている

さて和歌山というと寿司が有名だ

寿司といっても江戸前のような寿司ではなく、サバやサンマのなれ寿司、サンマの姿寿司、そしてめはり寿司だ。和歌山はサバやサンマが昔から多く捕れ、その保存食としてなれ寿司や姿寿司、棒寿司が生まれた。なれ寿司は琵琶湖の鮒寿司のサバ版だと思えばよいだろう。酢を使わずに魚を塩漬けして自然発酵させたものだ。新宮には30年モノのなれ寿司を食べさせるところもある。もうチーズの世界だ。ところで姿寿司や棒寿司は魚に塩をふり、ダイダイなどの酢でしめた、さわやかな味の寿司で価格も安く旨い。奈良県吉野の鮎寿司や柿の葉寿司も、これら和歌山の寿司の影響を深く受けていると思われる。ところで、めはり寿司は和歌山は熊野を中心とした地域でしか見かけない、熊野の郷土料理だ。僕がめはり寿司と最初に出会ったのは高校2年生の時だった。修学旅行で昼食の弁当として食べたのが最初。寿司だと喜んだのだが、出てきたものはでっかい「おにぎり」。そのおにぎりは塩漬けした高菜でぎっちりと巻かれていた。拍子抜けしたが、高菜の旨さにまたまたビックリ。すっかりめはり寿司ファンになってしまった

せっかく本宮に来たのだからと、十津川に向かう途中、国道168号線沿いにある「めはり本舗 三軒茶屋」でめはり寿司を食べた。う〜ん旨い。高菜というと九州が名産地でトンコツラーメンの具としても愛用されている。しかしめはり寿司に使える大き目の高菜の葉は九州産の場合少なすぎて不経済。比較して熊野産の高菜は、めはり寿司用の大きさに育つと、1枚1枚刈り取って出荷しているので合理的というわけだ。この葉を3日間ほど塩漬けしたのち、タレに漬け込み、酢の入っていない普通の白ご飯に巻いて、めはり寿司は完成する。とてもシンプルな「おにぎり」だが、高菜の味付の仕方で各店の特長が生まれる。食べ比べてみるのもよいだろう


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