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四村川沿いに皆地(みなじ)に向かう。皆地の四村川には落ち鮎を狙う梁があるのだ。落ち鮎漁は既に終了はしているが、簗はそのまま残っているはず。現地に着くと予想は的中していた。この皆地の簗は地元の方が1週間ほどかけて作り、規模も大きい。つぶさに観察すると、アユを誘導する木のやぐらの配置が見事だ。栃木県那珂川や群馬県水上の簗とも違い、簗だけを見ても、その美しさに惚々してしまう
ところで皆地とは、水無地から転じた、谷川が地下を潜って流れている土地の意味と言われ、シイタケや薪、炭の生産や皆地傘で知られている。ふけ田を利用した「皆地いきものふれあいの里」は、この地域の谷戸を歩く散策路であり、あぜ道、木道、草の道など、ごく普通の谷戸の風景を楽しむ事ができ、山にはヤマネも棲むという
実は高知中村のとんぼ公園のような里山の自然を期待したのだが、実際のところ、公園の作りはとんぼ公園とはまるで違っていた。水路に対してあまりにも人工的すぎる個所があるのだ。親水公園によくありがちな業者による「作りましたよ」というスタイルであり、これでは本来の生態系は逆にダメージを受けてしまうのではないかと感じられた。事実、アメリカザリガニが繁殖しすぎて、和歌山県では唯一の生息地であった水中昆虫であるオオコオイムシなど、従来いた生物が減少してしまったようだ。残念である。今後の復活に期待したい
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