「山旅倶楽部」で広がるアウトドアライフ
No.153 2003.3.17
山口県 阿武

虹の渡り橋

虹の渡り橋
[Exif位置情報 あり]

関東の人達から見た山口県のイメージは、きっと、萩、下関のふぐ、関門海峡、秋吉台と鍾乳洞、そして錦帯橋くらいなものだろう。つまり山口=観光地とは殆ど認識されていないのが実状ではないだろうか。しかしフィールド観察好きな方にとって、山口県はかなり魅力的な地域だと思う。照葉樹林、竹林、低山、棚田といった、昔ながらの里山の風景が今でも残り、白砂青松の海岸の先には、コバルトブルーの美しい海が広がる。沖縄のトロピカルな海の人気も理解できるが、これだけ美しい海岸線を味わえる地域は、五能線の秋田は八森から青森の岩崎までくらいだろう。島根に入ると、琴ヶ浜など一部を除いて砂浜の色は黒っぽくなってしまうが、山口県の砂浜はどこまでも白浜が続く

「道の駅阿武町」に辿り付くと、そこには銭湯かと思うほどに、庶民的な温泉があった。入浴料も東京の銭湯よりも安く、一風呂浴びた後に、これまた庶民的なレストランで食事もとれる。道の駅のあるべき姿をここは体現している。すっかりここを気に入り、2泊もしてしまった。というのも、島根から山口に入り、田万川、須佐、阿武周辺の照葉樹林、そして竹林の風景が美しいのだ。田んぼや小川も探索してみようと、阿武町奈古から奈古谷川沿いに山の中に入り込んでみた。迷路のような山道をあてもなく走ると、突然、珍しい形の棚田に出た。巾着田のような円形の田んぼを中心に美しい棚田が広がっている。ほほぉぉ..と感嘆の声を思わずあげるほど、魅力的な棚田だ。近くの小川を覗くとメダカが気持ちよさそうに泳いでいる。山口の棚田といえば油谷の棚田が、島根は三隅の棚田が著名だけど、眼前の風景も負けずに素晴らしい。まだ風景写真家達にはノーマークなのだろう。里山で出会った八幡様も、まるでトトロの森を彷彿させるほどにノスタルジック。棚田を後に、さらに山道を下り、畑の広がる平野を走ると、突然目の前に虹の架け橋が現れた。車を路肩に停め、撮影をしたのだが、帰宅後、フィルムを現像してみると、完全なアーチ状の虹はこのワンカットのみだった。もっと絵になる場所はないかと、助平心をおこし、ウロウロしているうちに虹は消え去ってしまったのだ


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