「山旅倶楽部」で広がるアウトドアライフ
No.128 2002.9.5
秋田県 川原毛地獄

荒涼たる風景が続く川原毛地獄

荒涼たる風景が続く川原毛地獄
[Exif位置情報 あり]

川原毛地獄は秋田県湯沢市と、秋田、岩手、宮城にまたがる栗駒山のちょうど中間に位置する。日本最大といわれる湯滝があり、滝壺は天然の露天風呂となっている

地元の観光パンフレットによると、川原毛地獄は日本三大霊地の一つ、硫黄鉱山の跡地なのだそうだ。その容姿は青森の恐山と同様、荒涼とした山肌のいたるところで、硫黄や水蒸気が噴出している。ここを訪れるには、泥湯温泉からのアプローチと湯沢市川原毛大湯滝からの2つのコースがある

川原毛地獄へ行くには、秋田自動車道湯沢ICを降り、国道13号から県道51号線を南下するコースが一番わかりやすく1時間ほどで着く。もう1つは岩手県東北自動車道一関ICを下車、そのまま栗駒山方面に向かい須川から小安峡に向かうコース。こちらはブナ林の美しい景観や湿原を眺めながら約1時間半で小安峡にたどり着く。湯沢市には大型スーパーやホームセンター、コンビニもあり現地で買い出しをするならば湯沢コースがお薦め。また湯沢から県道51号に曲がらず、国道13号を直進すると、10分ほどで道の駅おがちに到着する。モバキャンは道の駅おがちを拠点とするとよい。小安峡まで40分、反対方向になるが1時間ほど走ると鳥海山まで楽々たどり着けるので日本海で海水浴も十分視野に入る


ところで観光案内の言葉として「日本三大**」という使われ方がよくされるが、3つを資料の中に掲げているものは案外無いのも事実。また誰がどのような基準で決めているのか、その根拠を明確に資料として提示しているものもかなり少ない。例えば今回の川原毛地獄であるが、日本三大霊地の1つといわれている。ここ川原毛地獄、そして青森の恐山、もう1つは富山の立山を日本三大霊地と定義しているのだが、どのような基準で三大霊地と選択決定したのか、また霊地自体をそもそも比較できるものなのか、調べてみてもわからない

僕の調査不足によるものかもしれないが、調べてみても、この日本三大霊地という言葉を使用しているのは、川原毛地獄を紹介する観光資料の中だけなのである。他にもあることはあったのだが、内容自体信頼性が乏しかったので、考慮に入れていない

立山は昔から立山地獄、曼荼羅といった信仰の山であるが、万葉の頃の立山信仰と江戸時代の立山信仰とでは、内容もかなり変わっているようだし、だいたい立山信仰の資料の中に霊地という言葉を見かけたことがない。明治になり、実質的に立山信仰は解散させられているはずなのに、今もって日本三大霊地の1つとして紹介している、秋田の観光関連の方、その理由を一度詳しく教えてもらいたい。霊場としては比叡山や高野山の方がはるかに著名である。それでは霊地と霊場との違いは??となると、僕も勉強不足で分からない。立山の曼荼羅の里には、三途の川はある。ここ川原毛地獄にも三途川渓谷はあるが、そのことが霊地なのだろうか。いずれにしても、そういうことは置いておいて、川原毛地獄に足を運べば、その荒涼たる風景を眼前にして思わず手を合わせてしまうのも事実である

最後に、硫黄ガスの強い、この川原毛地獄では絶対に車寝はしないこと。車内での短時間の休憩すら危険だと思う。特に喘息を抱えている方は要注意


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